コラム

導入にあたり

【2023年度最新版】法人向け太陽光発電の補助金について徹底解説

家庭用だけではなく、事業者向けの太陽光発電が近年注目を集めています。

その背景には、燃料の値上がりによる光熱費の高騰やSDGsなどの環境保護が重要視されていることがあります。

単に化石燃料や再生可能エネルギーから作られた電気を消費するのではなく、自社で発電することで電気代の削減やCSR(企業の社会的責任)の達成などのメリットを享受することが可能です。

しかし、太陽光発電の導入には多額の費用が掛かることがあります。

そこで、今回は法人向け太陽光発電の補助金とその詳細について詳しく解説していきます。

法人向け太陽光発電の基本を詳しく知りたい方は【法人向け】太陽光発電を導入するメリットとは?注意点も解説も合わせてご覧ください。

基本用語について分かりやすく解説

補助金について解説する前に、まずは基本用語について説明していきます。

本予算と補正予算

「本予算」とは、その年度に対して計上されている予算のことを指し、多くは該当年度の4月頃から募集が開始されます。

一方、「補正予算」は、当初の本予算では目的を十分に果たせなかった場合に追加で発表される予算のことを指します。

補正予算は2月頃から募集が開始されるため、既に補助事業者が決定しているものもあります。

概算要求

「概算要求」とは、8月末までに政府の各省庁が大臣に提出する次年度の予算要求のことです。

この概算要求には概要と大まかな予算が記載されているため、来年度の補助金に関して参考にすることができます。

間接補助事業者・執行団体

国による補助金は、政府から予算が出されていますが、募集や受付などの実務的な部分は「間接補助事業者」や「執行団体」という仲介を担う民間企業が行います。

補助金によって、間接補助事業者・執行団体も異なるため確認しておく必要があります。

公募までのおおまかな流れ

次に、公募までのおおまかな流れについて説明します。

以下の流れを参考に早めの検討・準備をしておきましょう。

また、それぞれの補助金によって、募集時期は異なりますので、詳細については各要項を確認しましょう。

8月には、次年度の予算要求が政府に提出されるため、法人向け太陽光発電に関する補助金がどのようなものがあり、どれほどの予算が想定されているか確認するとよいです。

しかし、あくまで要求であるため変更される可能性はあります。

詳細については、2月頃に公開される概要にて確認する必要があります。

そして、4月頃には正式に補助金の公募が開始されます。

2023年度の補助金について

環境省の補助金

◯ ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業

概要 自家消費型の太陽光発電設置・蓄電池の導入支援を通じて、太陽光発電設置・蓄電池価格の低減を促進することでストレージパリティを達成し、日本における再エネの導入促進と防災強化を図ることを目的とした補助金です。
ストレージパリティとは、蓄電池を導入した方が経済的なメリットを得られる状態のことを指します。
対象事業 自家消費型の太陽光発電設備の導入を行う事業。(導入する太陽光発電設備の「太陽電池出力」が 10kW 以上であること)
定置用蓄電池または車載型蓄電池の導入を行う事業。(導入する蓄電池の「定格容量」が 4,800Ah・セル以上であること)
補助額 (太陽光発電設備)PPA又はリースによる導入に対して、5万円/kW購入による導入に対して、4万円/kW
公募期間

一次募集:2023年3月31日(金)~2023年4月28日(金)正午まで
二次募集:2023年5月15日(月)~2023年6月30日(金)正午まで
(注意:予算額に達した場合、その時点で締め切り)

出典: 一般財団法人環境イノベーション情報機構 【公募のお知らせ】令和4年度(第2次補正予算)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業(ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業))

昨年は、三次募集まで予定されていましたが、二次募集の段階で予算に達してしまったため二次募集で締め切りました。

今年度も、多数の応募が想定されるため早めの準備が必要です。

昨年度からの大きな変更点が2つあります。

1つ目は、補助には、蓄電池の導入が必須です。

昨年度は推奨だけでしたが、今年度から義務となりました。

2つ目は、太陽光発電の発電電力を系統に逆潮流しない(余剰売電しない)設備に限る点です。

◯ 新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業

概要 地域の再エネのポテンシャルを有効活用するため、新たな手法による太陽光発電や再エネ熱利用、未利用熱利用、自家消費型再エネ発電等の導入・価格低減を促進します。
対象事業 ①建物における太陽光発電の新たな設置手法活用事業
②地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業
③オフサイトからの自営線による再エネ調達促進事業
④再エネ熱利用・発電等の価格低減促進事業
⑤新たな再エネ導入手法の価格低減促進調査検討事業
⑥熱分野・寒冷地での脱炭素化先行モデル創出事業
補助額

①~④計画策定:3/4(上限1,000万円) 設備等導入:1/3,1/2
⑤委託事業
⑥計画策定:3/4(上限1,000万円) 設備等導入:2/3

公募期間 それぞれの対象事業によって期間が異なるので、個別の確認が必要です。

出典:環境省 民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業(一部 総務省・農林水産省・経済産業省 連携事業)

また補助金を受けるためには、以下のコスト要件を満たす必要があります。

①②④(発電)
本補助金を受けることで導入費用が最新の調達価格等算定委員会の意見に掲載されている同設備が整理される電源・規模等と同じ分類の資本費に係る調査結果の平均値又は中央値のいずれか低い方を下回ること。

④(熱利用)
当該設備のCO2削減コストが従来設備のCO2削減コスト(※過年度の環境省補助事業のデータ等に基づく)より一定以上低いこと。

出典:環境省 民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業

経済産業省の補助金

◯ 需要家主導による太陽光発電導入促進補助金(第二次補正予算)

概要 2030年の温室効果ガス削減目標の達成には、再エネの拡大と自立化を進める必要があります。
需要家による太陽光発電の活用は途上にあり、必ずしも自立的に拡大する状況にないことから、需要家主導の新たな太陽光発電の導入を推進することで、再エネの自立的な導入拡大を促進するための補助金です。
対象事業 下記の要件を満たし、特定の需要家に電気を供給するために太陽光発電設備を新たに設置し、所有する事業者。
①対象設備が、電気事業者による再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法の認定計画に含まれないこと(非 FIT・非 FIP)
②合計2MW 以上の新設設備で、単価が 23.6 万円 /kW(AC ベース)未満であること
③令和6(2024)年2月29日(木)までに運転開始すること
④8年以上にわたり一定量以上の電気の利用契約等を締結すること
⑤再エネ特措法に基づく事業計画策定ガイドラインを遵守すること
補助額 自治体連携型:2/3以内 自治体連携型以外:1/2以内
公募期間 2023年4月3日~2023年5月26日

出典:太陽光発電導入促進補助金 令和4年度第2次補正予算の補助金情報

注意点としては主に下記が挙げられます。

  • 需要家、発電事業者、小売電気事業者の3者でオフサイトPPAの形をとること
  • 一定規模以上の新規設置案件であること
  • FIT/FIPを活用しない、自己託送ではないこと
  • 需要家単独又は需要家と発電事業者と連携した電源投資であること
  • 廃棄費用の確保や周辺地域への配慮すること
  • FIT/FIP制度同等以上の事業規律の確保に必要な取組を行うこと など

地方自治体の補助金について次に、1都2県の具体的な補助金について解説していきます。

すでに閉め切っている公募もありますが、今後の参考として活用ください。

◯ 東京都の補助金:地産地消型再エネ増強プロジェクト(東京電力エリア内設置)

東京都では、事業者による再生可能エネルギーによる発電装置設置に関する補助金が発表されています。

対象範囲は東京電力エリア内の、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、群馬県、茨城県、山梨県、静岡県(富士川以東)に限ります。

全部で4つのパターンがあり、下記のとおりです。

それぞれのパターンで助成要件が異なるため注意が必要です。

①の都内で消費・蓄電を行うパターンを代表例として紹介します。

概要 都内に地産地消型再生可能エネルギー発電設備あるいは、再生可能エネルギー熱利用設備を設置する事業者に対して、設置に関する経費を助成する目的の補助金です。
対象事業 再エネ設備を都内に設置し、設備から得られたエネルギーを都内の施設で消費する事業。
助成額 (中小企業など)2/3 
(区市町村)2/3 上限1億円
(その他事業者)1/2 上限:7,500万円
公募期間 2023年4月3日~2024年3月29日

出典:東京都環境局 太陽光発電設備の設置に対する東京都の助成事業

◯ 埼玉県の補助金:CO2排出削減設備導入事業

地球温暖化対策を推進していくにあたり、県内に所在する事業所においてCO2排出削減に貢献する設備の導入費用を一部負担します。

概要 事業者の自立的な省エネルギー・温室効果ガスの排出削減を支援する目的の補助金です。
対象事業 CO2排出量を削減するために必要な設備整備事業
助成額 (大規模事業所)1/3 上限:1,000万円(中小規模事業所)脱炭素化枠:1/3 通常枠:1/4
公募期間 (昨年度の場合)令和4年4月15日~6月10日 ※終了
(本年 ※緊急対策枠)令和5年1月30日(月)~2月17日(金) ※終了

出典:埼玉県 【受付終了】令和4年度 CO2排出削減設備導入事業【緊急対策枠】(令和5年1月募集開始分)

大規模事業所向けのものは、国の補助金と併用ができない点は注意が必要です。

◯ 神奈川県の補助金:自家消費型太陽光発電等導入費補助金

神奈川県では、「かながわスマートエネルギー計画」を実施しています。

概要 「集中型電源」から「分散型電源」に変化させることで、エネルギーの地産地消を目指して、再生可能エネルギー等の導入を促進しています。
その一環として、設備を導入する事業者に対して県で助成する目的の補助金です。
対象事業 自家消費型再生可能エネルギー発電設備を設置する事業
助成額 経費の1/3 (太陽光発電の場合)6万円/kW のどちらか少ない額が上限
補助枠 合計5億5,760万円(2022年度)
公募期間 2022年4月28日~2023年2月28日 ※終了

出典:神奈川県 令和4年度神奈川県自家消費型太陽光発電等導入費補助金

  • 太陽光発電の場合、発電出力が10kW以上であること
  • 対象事業の着手から完了までが該当年度以内であること

 

「CO2排出削減設備導入事業」と「自家消費型太陽光発電等導入費補助金」は、現在公募期間が終了していますが、令和5年度予算にも類似の補助事業予算が計上されているため、詳細をご確認ください。

まとめ

温暖化対策やSDGsが世界的に重要視されているため、今後も法人も含めた太陽光発電への注目は高まることが予想されています。

設備導入の障壁となっているコストに関して、国や地方自治体から様々な補助金が発表されており、補助金によって、募集の時期や対象となる事業、補助額が異なるため早めの検討と詳細の確認が必要です。

丸紅グループ及びパートナー企業では、一部補助金に関するサポートも対応しているため、 初めての導入で不安な方でも安心してご利用いただけます。

太陽光発電の導入に興味がありましたら、ぜひ一度お問い合わせください。

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